凸凹な空気

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IMAGINE PEACE TOWER

"IMAGINE PEACE TOWER"なるものがアイスランドに出来たらしい。首都レイキャヴィークに近い、VIDEYという小さな島に。
「タワー」といっても建築物の「塔」ではなく、15台のサーチライトから空に向って(「塔」をイメージした)光を放つ、「光の塔」である。元ビートルズの故ジョン・レノン氏の妻オノ・ヨーコさんが世界平和への願いを込めて建てたという。10月9日に除幕式が行われ、今後は毎年10/9~12/8まで毎日、空に向かうサーチライトの点灯が行われるとのこと。

このタワーの詳細については、ネット上にあふれる他の記事に譲るとして・・・

手放しで「いいね~」
「すごいね~」
「見てみたいね~」と言えない状況でもある。

世界平和を願うシンボルを建てる、ということには何の異存もないし、社会的に影響力のある人が実行するというのは大きな意味があるとは思う。

でも・・・・・・
それがなぜサーチライトによる光の塔なのか。

毎年10/9~12/8まで毎日って、点灯期間が長すぎない?
建てた側から見れば、そのくらいは必要なのだろうし、
一晩中ライトをつけっぱなし、というわけではないと思うけれど・・・。


「光害」という言葉をご存じ?
むろん、「公害」の誤変換ではなく、「光の害」のこと。


「満天の星空」、見たことがない人も多いと思う。
なぜか?
それは街の明かりが空を明るくしてしまって、星が見えなくなってしまっているからなのだ。
星空を見ようとするとき、それを邪魔する街明かり(光)、それが「光害」というわけ。

そう、空に向けたサーチライトは「光害」の元となりうるわけで、点灯中はその周囲での「天体観望(観測)」の障害となってしまう。自然を体感するNature Watchingが売りのアイスランドで、なぜ、それの障害となるものを作ってしまったのか。

東西冷戦終結の舞台となったアイスランドに平和を願うシンボルを建てるというのは素晴らしいことだし、またそのメッセージが持つ力も大きくなることと思う。
けど、その一方で光害の問題。
レイキャヴィーク周辺の、天体観測を行う教育・研究機関にとっては重大な影響を及ぼすことは必至。この点において残念である。