凸凹な空気

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上海トランスラピッド

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イメージ 2←"Shanghai Transrapid"の文字が誇らしげ。

トランスラピッド・・・一般的な知名度がどれだけのものかはわからないけれど、おそらくは「有名」と言っていいんではないかと思う輸送機関。「上海トランスラピッド」はトランスラピッドの実用的営業路線の第一号であって、現在では世界唯一のもの。元々はドイツで研究開発された磁気浮上式超高速鉄道で、高額な建設費用ゆえ本家のドイツでは未だに着工に至らず、上海のものがこれの第一号路線となっている。いわゆる、浮上式(超高速)リニアモーターカー。「リニア」と聞いて皆が連想するような超高速列車で、運転スピードは時速430キロに達する。

リニアモーターカー」の鉄道路線は日本でも既にいくつかの路線が開業しているけれど、いづれも時速100キロに及ばない運転スピードで、超高速とは言い難く、しかも、開業済みのリニア鉄道のうち浮上式は愛知県の「リニモ」のみ。他の路線は浮上しない鉄輪式・・・ようするに従来の鉄道同様2本のレール上を走行する列車であって、駆動方式がリニアモーターだというもの。こちらは東京・横浜・大阪・福岡に路線(いずれも地下鉄)があるけれど、リニアだと知らずに乗ってる乗客がほとんどだろうなぁ。というか、そんなことは一般的には全く意識されない(どーでもいい)ことなのでしょう。

さて、磁気浮上式超高速鉄道というと、日本にもJR東海が建設を計画中のリニア(中央新幹線)があるけれど、このトランスラピッドと中央リニアではその構造、列車の走らせ方が全く違っていて・・・中央リニアは超伝導(超電導)電磁石を使っているのに対し、トランスラピッドは常伝導(非超伝導)電磁石。このため、日本の中央リニアは超伝導磁石からの非常に強い磁力線の影響を軽減させるため、車両を磁気シールド構造にしたり、乗車の際も乗客への影響を抑えるため、やはり磁気シールド構造のゲート(飛行機のボーディングブリッジを小さくしたようなイメージ)を使ったりするのだけど、トランスラピッドは超伝導ではないからそういった付加設備は不要・・・けど、浮上する高さが中央リニアは10cmほど確保できるのに対し、トランスラピッドは1cm程度。このため軌道建設時の許容誤差が非常にシビアで、その分コストもかさむのだとか。

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トランスラピッドの正面。かなりの汚れ、ほとんど虫との衝突痕で、430キロという高速走行を繰り返すと、こうなってしまうのもしかた無いこととはいえ、もうちょっと清掃頻度あげたらいいのに・・・と思ってしまうのが正直なところ。日本の新幹線も、正面に血糊べったり(鳥の羽付き)でホームに入ってくるのを何度も見てるし、自分の車も、夏の夜に高速道路を走ると相当すごいことになってたりするけれど・・・。
ところで、前照灯の所のガラス(アクリル?)がひび割れしているのわかります?
何にぶつかったんでしょうかね・・・直さないまま走らせていいものなのかねぇ?

上海トランスラピッドは上海(甫東)空港と上海市内を結ぶ空港連絡列車という位置づけだけど、上海市側の駅の位置がかなり中途半端で、空港利用者にとって便利とは言いがたく。世界最速列車という、上海のアトラクションの一つというのが実際のところなんでしょう。

さて、トランスラピッドに乗り込みます.....
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超伝導ではないため、普通の(従来の)列車のプラットホームと同じ作り。ただ、改札では、セキュリティチェック、空港でのそれに準じたものが行われています。

そして、車内。列車は普通席と上級席(貴賓席)の2クラス制。σ(^^)が乗ったのは普通席。
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車内のインフォメーションパネルには速度表示も。
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なお、全ての列車が430キロ運転を行うわけではないようで、朝・夕の列車は300キロ程度に運転スピードを落とすらしい・・・騒音対策かな?

運転中の揺れは新幹線のような感じ。上海郊外の、空間的に開けた所(←建物が多くない)を走っているためか、フルスピード運転時も、それほど速いという実感がなく、ほとんど日本の「のぞみ」に乗ってるのと同じ感覚。

加速時に吊り掛け電車のような音がしていたのが妙な感じではあったけれど。