凸凹な空気

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マンガイア島の皆既日食(その2)

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皆既食の終了後、雲間から太陽が出てきたのでこんなこともできました。↑

そのほぼ同時刻に撮った写真がこれ。↓
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けっしてベタ曇りではなく、晴れ間もそれなりにあったわけなのです。


日食観望の場所として用意された場所は、マンガイア島の北東に位置する滑走路。そう、飛行機が発着する滑走路だったのです。滑走路のすぐ脇は海を臨む崖っぷち・・・日の出直後から欠け始める太陽を見るには絶好の場所ということで。むろん、この日は飛行機の発着が無いため、日食見物に滑走路を開放してくれたというわけ。(日食目当ての観光客を呼び込むために、飛行機の運航をやめて滑走路を開放した、とも言えるでしょうね)

日食の前日、日食がおこるほぼ同時刻に「現場」の下見ということでこの場所に来た時は雲が散在的に存在するものの、晴れ間もけっして少なくない状態。このままの天気で推移してくれれば、なんとか皆既食を見られそうだ、と誰もが思ったことでしょう。

そして、その日の夜、すなわち日食本番の前の晩、短時間ながらもスコールが!
一抹の不安がよぎるも、これが明朝の露払いになってくれれば・・・と願いつつ迎えた本番の当日の早朝、というか未明・・・日の出直後から日食が始まるため、まだ暗いうちに宿舎を出発、現場である島の滑走路に向かいます。空は快晴、満天の星空で、日本からは見えない大・小のマゼラン雲もはっきりと。こんな時間からこんなに晴れちゃって大丈夫か?という不安とともに、「今日の日食は見られるだろう」という期待も高まり、現場に着く前から既にドキドキ。現場に到着してみると、なんだか昨日と風向きが違う・・・昨日は東からの風だったのが今日は南南東の方角から吹いている・・・いや~な予感(‥;
日の出が近づき、薄明が始まると水平線上の雲が厚い。しかし、太陽が皆既食となる位置はまだなんとかクリア・・・このまま、なんとかもって欲しい!!

という願いもむなしくどんどん湧いてくる(移動してくる)雲・・・南から大きな雲の塊が移動してきて、水平線上に出ているはずの太陽を隠したまま時間が過ぎる。
そこの雲、どいてくれ~~~・・・・・という願いはかなわぬまま皆既食の時刻を迎え、皆既日食が見られるという期待が落胆に変わる・・・orz

皆既食中、真っ暗にならなかったのは前回書いたとおりで、頭上は青黒い晴れた空。
太陽と違う方向の水平線近くは、皆既食中であることを示す夕焼け色。

皆既食の終わりを告げる光が雲の隙間から漏れ出てくると・・・期待が大きかっただけに落胆も大きいのでした。

・・・しかし・・・雲間から差し込む光が周囲の雲を明るく照らし出し、なんともいえない美しい光景が広がったのです。到底、写真・ビデオ等では表現しきれない光景。皆既食が終わった直後の大きく欠けた太陽、まだ本来の光の強さでないことの影響かもしれません。ファンタジー映画のクライマックスに出てきそうな、それまで暗い灰色だった雲が一気に銀白色に染まり、光輝く・・・まさに幻想的な光景でありました。
「これはこれで幻想的だな・・・」と周囲からの声も聞こえたので、自分だけでなく、その場に居た人々共通の印象だったに違いありません。
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肩を落として宿舎に戻ったわけですが、追い討ちをかけるように衝撃的なニュースが入ってきます。

同じ島内、しかも宿舎の近くにいた人が皆既中の太陽を見た、と(~o~)

思い起こせば、島の滑走路では雲が南から北のほうに流れ、皆既食の終了後約3分で雲の切れ間から太陽が顔を出したのです。宿舎はその滑走路から南へ2kmほどの位置・・・つまり、宿舎のある場所では雲が切れるのが滑走路よりも早かったということで、滑走路に移動せず宿舎付近にいれば黒い太陽が見られたというわけなんですね。

まさに、唖然・・・でした (◎o◎)!

その翌日、同じ島内の、自分たちとはほんのすこしだけ南にズレた位置で皆既食を見たという人の証拠写真を見ることになり・・・もうため息しかでません(--;

次回の皆既日食は2年後のオーストラリア。
ぜひ行きたいところなんだけど、はたして・・・。