凸凹な空気

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はやぶさのカプセル展示 in 丸の内OAZO

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先日(8/17)、丸の内OAZO(オアゾ)にて小惑星探査機「はやぶさ」のカプセル展示がありまして、これはぜひとも見なければ!と仕事を無理やり定時で終わらせて展示会場に向かったのであります。
これよりも前に実施された、相模原の博物館内での展示は、なんと3~4時間待ちという行列ができたそうで、おそらくその状況を考慮してのことなのでしょう・・・今回は整理券を配布するんだとか。すなわち、その整理券が手に入らなければ、会場に行っても展示品を見ることが出来ないわけなんですね。それで、もしかすると平日の夕方とはいえ既にものすごい行列が出来ていて、整理券配布終了!なんてことになってたら嫌だなぁと思いつつも地下鉄の階段を登り、会場へ...。
すると、やはり行列が出来てはいるものの、整理券配布担当氏によれば30分ほどで見ることができるとのことで、来てよかった!(^^)v

そして待つことおよそ20分、当初の想定よりも早く展示品を見ることができたのです。
今回の展示品は、はやぶさの「カプセル(ヒートシールド)のエンジニアリングモデル」と「インスツルメントモジュール」、そしてカプセルの「搭載電子機器部」の3点。残念ながら撮影禁止とのことで、写真は撮れませんでした。そして、「立ち止まらないでください」と。昔の動物園のパンダ舎みたい(^^;・・・けど、パンダとは違って余裕を持って見ることができました。ゆっくり歩きながらではありますけどね。
その展示品、エンジニアリングモデルというのは、実際のカプセルと同じ材料で作られた地上試験用のカプセル。つまり、これは宇宙に行ってません。実際に宇宙から帰還したカプセルと比較してみると、大気圏再突入時に受けた熱の影響も見ることが出来るのだけど、残念ながら、再突入に耐えたカプセル(ヒートシールド)の展示は(この日は)無いのでした。
前日と前々日は実際に再突入を経験したヒートシールドの展示があったのですが、前日は頭痛がひどく、前々日は仕事で会場に行くことができず、残念・・・。カプセルの「搭載電子機器部」はヒートシールドに代わっての展示品で、こちらは実際に宇宙空間を航行し、大気圏再突入を経験した実機。もう一つの「インスツルメントモジュール」も宇宙から帰還した実機。なんだか、カタカナと漢字という違いだけで、両者は全く同じ物のような印象をうけますが、一応別物でして・・・搭載電子機器部というのは、文字通り帰還カプセルの制御系パーツ。帰還後のカプセルの位置を探るうえで重要なビーコンの発信もこの「搭載電子機器部」の役目。カプセルの再突入スピードは、これまで大気圏再突入を経験した宇宙機の中でも史上2番目という高速(およそ12km/s)だそうで、その際の空力加熱スペースシャトルの30倍、減速加速度は50Gにもなるという凄まじさ。それらに耐えるため、電子部品を搭載している基板は樹脂で固められているとのことで・・・たしかにベージュ色の樹脂でモールド成形されて(50Gという猛烈な加速度と振動で、基板と基板上の部品が曲がったり折れたりして破損しないよう樹脂で塗り固める)おり、中のパーツは見えません(^^;。その、樹脂モールドされた基板が収められていたのが「インスツルメントモジュール」というわけです。インスツルメントモジュールは樹脂モールド基板のハウジングと言っても間違いではないでしょう。インスツルメントモジュールに守られた搭載電子機器部はとてもきれいな状態でしたが、インスツルメントモジュールの一部分は黒く変色していて、大気圏突入時の過酷な状況を物語っておりました。
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上からも見えないように大きなたれ幕。「ずる」はできません(^^;。

展示品見学後、はやぶさ本体と再突入カプセルの大気圏突入時に全周魚眼で全天を撮影した写真を使ったポストカードが配られました。空を横切る天の川と、鋭い輝きの軌跡。
そして、「おかえり、はやぶさ」の文字。
JAXAアーカイブス内