凸凹な空気

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三宅島、噴火後(2005)

三宅島は言うまでもなく、現在も活発に活動し続ける活火山。島の中心に位置する火口からは高濃度の火山ガスを吹き出しているため、避難指示解除となった現在でも滞在には注意を要する。←島へ上陸するにはガスマスク必携。
三宅島は自分にとってちょっとばかり思い入れの強い島で、2000年の噴火(というか、その後の状況)はかなりショッキングな出来事。三宅島との最初の出会いは20年近く前だろうか・・・某電機メーカーに勤め、残業続きの日々で嫌な毎日を過ごしていた頃、やっと取れた貴重な休暇を使って「どこへ出かけようか」と選んだ目的地が三宅島。今は休暇さえ取れれば割と頻繁に島旅をしているけれど、その頃はあまり離島に行ったことが無く、どこか島に行ってみたい・・・でも限られた休暇ではそれほど遠くには行けない、ということで選んだ三宅島。そして、この時は初めての飛行機の旅ということもあって、記憶に強く残っているのです。

そしてその後、1999年だったかな・・・スキューバダイビングをやり始めてから三宅島へは割と頻繁に出かけるようになったのです。三宅島は金曜の夜、仕事を終えてから船に乗り込めば土曜の早朝には島に到着。土曜~日曜の午前中遊んだ後、午後に島を出る船に乗れば夜には家に戻れるから、気軽に出かけられる「島」というわけで。ダイビングをはじめてから、ほぼ月イチで通っていた三宅島、この島はほぼ20年間隔で噴火を繰り返すというのは周知の事実で、島でダイビングショップを営む人も「前回の噴火からもうすぐ20年たつから、次の噴火は秒読みだよ」なんて話していたのだけど・・・それからそれほど時間をおくことなく・・・2000年の6月、三宅島の海に潜って遊んだ翌週に噴火。この島は噴火の前兆が現れるとたちまち噴火に至るものの、その噴火は比較的短期間で収まるという性格を持っていて、この時も皆(これまでと同様)そうなるだろうと思いこんでいたのです。けれど、現実には・・・。
陸上での溶岩の噴出はなかったものの、島の中央部にある「雄山」の火口が大きく陥没、火山性のガスを猛烈に吹き出し、それが長時間続くことになってしまって。
実は、噴火の2ヶ月ほど前、三宅島在住の知人に三宅島の山・・・山頂付近の湿原とか案内してもらえる予定だったのです。いつも海ばかりで、山はまだ登ったことがないからというわけで。
ところが、島に出かける前日に「大雨」という天気予報がでてしまい、大雨では山登りは無理(←キケン)ということで、「また次の機会があるさ」と、山頂トレックをあきらめたのです。でも、噴火のおかげでこの時に訪れる予定だった場所は火口の底に崩れ落ち、地球上から姿を消してしまい、楽しみにしていた山頂トレッキングは永遠に不可能に。その「雄山」、パッと見で容易に判るほど山の形が無惨に変わってしまって・・・単なる観光客の一人にすぎない自分もショックが大きかったのでした。

今回の写真は、三宅島の非難指示解除後、初めて島に渡った時のもの(2005年)。

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/28/c9/yama2005_04/folder/1483689/img_1483689_53576813_0?1212680209

↑非難指示が解除されたとはいえ、場所によっては火山性の有毒ガス濃度が高くなりがちな所もあって、そのエリアの入り口にはこんな看板が。


https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/a/askja/20191026/20191026204703.jpg

↑「赤場焼」と呼ばれる、赤茶けた火山性の砂礫が堆積した場所(を通る道路上)を走る車内から。島の東側に位置する三池方面に向かって走っているのだけど、写真左側に見える山、噴火前は草なんか全くといっていいほど生えてなかったのに、噴火後はだんだんと緑が増えてきています(現在進行形)。
火山灰が大量に降って、根付きやすくなったのかもしれません。もっとも、ここに生えている(増えている)のは「ユノミネシダ」という、火山性のガスを好む種だそうで、噴火前は三宅島でもめったに見つからなかったものらしい。それが、噴火後のガス噴出の影響で急激に増えているのだとか。このユノミネシダ、名前の通り、本州では火山ガスの存在する温泉地に自生しているとのこと。