凸凹な空気

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マンガイア島の星空(その2)

前回の写真にマーキングしてみました。↓
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右側の十字形があの有名な南十字。南十字星とかサザンクロスとか言いわれているけれど、それらはいずれも通称であって、正確には「みなみじゅうじ座」という星座です。
左側にマークをいれた「アルファ・ケンタウリ」もまた非常に有名な星で、ケンタウルス座のアルファ星(アルファ星というのは、その星座の中で最も明るい星のこと。以後、ベータ星・ガンマ星・・・とつづきます。)で、「アルファ・ケンタウリ」というのはそのまんまの名前(学名に相当)ですね。これは地球から見て太陽の次に近い恒星、つまり太陽のお隣さんで、およそ4.4光年の距離にあります。お隣とは言っても相当な距離ではあるけれど、その近さゆえ太陽・シリウスに次ぐ明るさなのです。
ちなみに、シリウスはおよそ8.6光年の距離。

この写真、「日本からは見えない」と書いたけれど、理屈では沖縄あたりまで南下すればアルファ・ケンタウリと南十字の一部は水平線すれすれに見えるのです。けれど、水平線ギリギリと言ってもいいくらいの低さゆえ、雲にさえぎられたり、(通過する大気の層が厚いがゆえに)光の減衰が大きく、これらを見るのはけっこうキビシイんですよね。アルファ・ケンタウリから南十字にかけて、ちょうど画面の左上から右下にかけて天の川が流れてますが、この天の川のスジが日本でも見える星のボーダーラインというところでしょうか。

さらに、南十字のすぐ左下に黒い雲のようなものが写っているのがわかるでしょうか。
こちらも有名な暗黒星雲、「コールサック(石炭袋)」です。暗黒星雲といっても実際に黒いわけではなく、背景の天の川よりも光が弱いために黒く見えているだけなんですが、このコールサック、肉眼でもハッキリと黒く見えます。


さて、次にいきましょう。
イメージ 2

明け方の空に見えた、大・小それぞれのマゼラン雲。どちらも有名な銀河なので、星に興味が無くても名前くらいは聞いたことがあるかもしれません。こちらはどちらも日本では水平線の下で、見ることはできません。詳しくはWikipedia等にまかせるとして・・・蒸し暑いマンガイア島の夜、寝苦しくて夜明け前に目が覚めたとき、ふと外に出てみると、いつかは見てみたいと思っていたマゼラン雲がハッキリと。何度も言ってしまいますが感動です。(むろん、寝苦しくなくとも滞在中には見てやろうと思ってましたけどね)
明るさは天の川とほぼ同等で、たしかに雲のようにも見えます。
(もう少し露出をかけると、もっとハッキリ写るんだけど、そうすると星像が流れちゃうんですよね・・・もっとも、この写真もよ~く見ると流れてますが(笑))


さらにもう1枚
イメージ 3

同じく明け方の空、今度は東のほうを見てみます。(星が少し流れて写っています)
すると、おなじみの「すばる(プレアデス星団)」、おうし座のアルデバラン、その右側にはオリオン座が・・・なんと倒立状態で昇ってきます。この見え方の違い、ものすごく違和感を感じます。地球が丸いから、ということが理屈ではわかっていても、感覚としては違う惑星の上にたったような感じです。徐々に時間をかけて南下してきたのなら、地球って丸いんだね~・・・と実感できるのでしょうけれども、飛行機という超高速の輸送機械で一気に連れてこられた身としては、それを感じることが出来ず(^^;。
アイスランドの星空を見たときは、天高く輝く北極星と、それを中心に空をめぐる北斗七星とカシオペア座を見て、地球って本当に丸いんだね~・・・と実感できたのだけど、今回は見えかたが違いすぎます。丸いんだね~・・・ではなく、地球が丸いからこう見えるのだ、と自分に言い聞かせて無理やり納得しているという状態なのでした。
アルデバランが写っているあたり、周囲よりも少し明るいのがわかるでしょうか。
黄道光」(「黄道」とは天球上の太陽の通り道のこと。)という、地球が太陽の周囲を公転する「公転面」に沿った惑星空間に存在するダストに太陽光が反射して淡く光っているものです。天の川よりも弱い光のため、実際に見るにはけっこう条件がキビシイのですが、肉眼でもはっきりとそれを見ることができたのです。