凸凹な空気

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金星の太陽面通過2012

6月6日、金星の太陽面通過がありました。地球から見て、金星が太陽の前を横切るという現象。ご承知のとおり、金星は地球よりも内側の軌道を回っているので、太陽の前を金星が横切ることはよくある・・・ことのように思えるかもしれないけれど、実は相当珍しいことなのです。

金星の太陽面通過が起こる(起こった)日時を並べてみると次のとおり。

・1874年12月9日
・1882年12月6日
・2004年6月8日
・2012年6月6日
・2117年12月11日
・2125年12月8日

100年以上の間隔をおいて、2回(8年という間隔をおいて)起こっているのがわかります。
なんと、20世紀は1回もないのです。

前回、8年前の2004年の時、東京周辺は天気が悪くて太陽は全く見えなかったのだけど、また8年後に期待しよう、と特に無理して遠征はしなかったのです。

そして、その8年後にあたる今年・・・またもや天気は最悪。
けれど、今回を逃したらもう見るチャンスは無い・・・ということで、かなり体力的にも時間的にもキツイものがあったのだけど、晴れる確率の高い日本海側、富山県まで遠征したのでした。はじめ、新潟県まで行けばなんとか見られそうだったから、関越道を使って新潟県内の長岡あたりに行くつもりでいたのだけど、出かける前日に天気予報を確認すると、新潟も天気があやしい・・・。ということで富山県に行き先を変更。片道400kmを越える距離を一日で往復するなんて、これまでやったことがなく、むろん、かなりきつい道中ではありました。(結局、900kmに迫る走行距離になってしまいました)

当日、金星の太陽面通過を見た場所は北陸自動車道PA(パーキングエリア)。
トイレしかない小さなPAだったけれど、そのおかげでしずかに落ち着いて眺めることが出来たのです。やはり、私の他にも関東の悪天候を避けて金星の太陽面通過を見に来ている人が数人・・・中には、一旦新潟に向かったものの、雲が多いために、さらに移動してきたという人も。

現地に着いて、まずは日食グラスで太陽を見てみると・・・
白く見える太陽に黒い点がぽちっと。間違いなく金星です・・・予想よりもハッキリ、クッキリと見えました。
日食グラスを持っていない人・・・普段は天体に興味を持っていないけれど、ニュースで金星の件をしきりに流すものだから、急に太陽が気になったというふうな人に日食グラスを貸してあげたりもしたけれど、メガネの視力矯正があっていないのでしょうね、金星が「見えない」という人もいました。
「見えた」人は皆、「へぇ~」と。

今回は日食グラスだけでなく、ハンディタイプの小型望遠鏡も持参。むろん、太陽観察用のフィルターを望遠鏡の対物レンズの前に被せての使用。
その望遠鏡を覗いてみると、「ソバカス」のように見える太陽黒点と、ホクロのように見える、ハッキリとした真っ黒な丸い点、金星がハッキリと。二十数年前に見た、水星の太陽面通過とは比較にならない迫力です。
(水星の太陽面通過は望遠鏡がないと見えません)

等間隔ではないけれど、時間をおいて撮影してみました。黒点の位置と比べると、金星が動いているのがハッキリとわかります。

イメージ 1
イメージ 2
イメージ 3

※撮影順は左から右へ