凸凹な空気

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一眼レフのミラーアップ

ミラーアップって何だ?

 という質問を受けましたので、ちょっと説明を。

 ミラーアップ、鏡上げ・・・そのまんまなんですが・・・「一眼レフ」と言われているカメラ独特の操作になります。そもそも、なんで「一眼レフ」と言われているのかというと・・・
「一眼」というのは、使用するレンズが1つだということに由来します。一言でカメラと言っても、もちろん、さまざまな形態・構造のものがあるわけでして、被写体をとらえるファインダーに使うレンズと、実際に撮影に使うレンズが別々のカメラもあるし、ファインダー用も、撮影用も同じレンズを使うカメラもあるわけで、「一眼」というのは後者、つまり一つのレンズをファインダー用、撮影用の両方に使うということです。一つのレンズをどうやってファインダー用と撮影用に使い分けるか、というと、「レフ」を使うわけです。「レフ」というのは反射ですね、この反射に使用するのがミラーというわけです。

具体的にイメージしずらいと思うので図を参照してください。

イメージ 1


カメラに入ってくる光の入り口は一つのレンズだけです。撮影前、被写体をとらえ、ピントを合わせるため、ファインダーに光を導くわけですが、その際に使用するのがシャッターの前に配置されているミラーです。レンズを通った光はミラーで反射してペンタプリズムと呼ばれるプリズムに導かれ、そのプリズム内でさらに反射をくりかえし、ファインダーにたどり着きます。撮影時はどうかというと、撮影前の状態・・・シャッターの前にミラーがあるとシャッターを切っても(シャッターを開いても)その奥にあるフィルム、あるいはCCD等の撮像素子に光がたどりつかず、撮影ができません。そこで、撮影時はミラーを上げて(シャッターの前から移動させる)、レンズを通過してきた光をシャッターの方向へ導くわけです。ところが、ミラーを上げてしまうわけですから、撮影時(シャッターを開けている間)はファインダー内に光が届かず、ファインダーは暗転してしまいます。また、撮影のためシャッターボタンを押してから実際に撮影が始まるまでの時間は出来る限り短くしなければシャッターチャンスを逃しかねません。このため、シャッター前のミラーは可能な限り素早く動かす必要があって・・・ということは、ミラーの移動速度も必然的に速くなり、ということはこれまた必然的にミラーの持つ運動エネルギーも大きくなる
わけで、どうしてもミラーの移動に伴う振動が発生してしまうわけです。

通常の、一般的な撮影では、このミラーによる振動で撮影に支障がでることは、まずありません。けど、超望遠レンズ等を使った高倍率撮影では、カメラの振動を無視できないのです。何せ、ちょっとの、ほんのわずかな揺れでも、高倍率であるがゆえに撮影対象の像が大揺れ、写真がブレてしまうから。では、高倍率撮影の時はどうするか、というと、ミラーの移動に伴う振動が落ち着いた時点でシャッターを切ればok。通常はシャッターボタンを押すと、まずミラーが上がり、次にシャッターが切れる。ミラーが上がりきると間髪をいれずにシャッターが切れるわけです。しかし、これではミラーの振動が残っているうちにシャッターが切れてしまいます。そこで、ミラー上げとシャッターを連動させず、まずはミラーを上げた状態で振動が落ち着くのを待つ・・・これがミラーアップ状態。振動が落ち着いたのを見計らってシャッターを切れば、ブレた写真にならずに済むわけです。

以上が、「ミラーアップ」が必要な理由です。けど、「一眼レフ」でもこのミラーアップが可能なカメラとそうでないカメラが存在するわけで、一つ前の記事で月の写真がブレてしまっているのは、このミラーアップができないカメラで撮っているからなのです。